今回の主なミッションは、ISSの通信システムや姿勢制御システムを搭載したZ1トラスという構造体や、与圧結合アダプタPMA-3が取り付けられました。
・Z1トラス
・機能
Z1トラスは、ISSにとって重要な機能を持つ3つの装置を搭載した骨組構造の構造体です。
1つ目の機能は、ジャイロスコープを使ってISSの姿勢を制御する機能です。2つ目の機能は、地上と通信するための機能です。3つ目の機能は、太陽電池パネルによって変換した電力をISS内に配分する機能です。
また、Z1トラスのZ1とは、Zenith(天頂方向)のZに由来しています。
Z1トラスには、コントロール・モーメント・ジャイロ (CMG)と呼ばれる姿勢制御を行う装置4基と、地上と通信するためのSバンド及びKuバンドアンテナ、直流変圧器(DDCU)等の装置が搭載されます。
コントロール・モーメント・ジャイロ (CMG)
CMGは、大型の宇宙機の姿勢を制御するための回転力を発生する装置で、人工衛星の姿勢制御に使用されているリアクション・ホイールよりも大きな角運動量、トルクを発生できます。
ジンバルに取り付けられたフライホイール)を一定の速度で回転(ISSでは6,600rpm)させ、大きな角運動量を持たせておき、ジンバルに取り付けられたフライホイールを別のモータでジンバルごと傾けることにより、地球ゴマのおもちゃで体験できるようなジャイロ効果による大きな回転力を発生することができます。
Sバンド通信システム
ISSの運用データや音声データを地上と送受信するシステムです。
Kuバンド通信システム
ISSで得られた様々な実験データや画像・音声データなどの大容量データを、地上に送信するためのシステムです。
・与圧結合アダプタ(PMA-3)
スペースシャトルとISSを結合するドッキングポートで、フライト2Aにて取り付けられたPMA-1・2に続きユニティの下方(地球方向)に取り付けられました。
PMA-3は、3Aフライトの後の2回のシャトル飛行(4A,5Aフライト)時にISSとスペースシャトルを結合するドッキングポートとして使われます。
(注:写真の模型では再現されていません。)
※記事、スペックに関してはJAXA宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターホームページより転載(一部改変)させていただきました。