フライト 7A
ジョイント・エアロック“クエスト”

 

今回の主なミッションは、ジョイント・エアロック(愛称クエスト)をISSに取り付けることを主たる目的としています。
ジョイント・エアロックはISSで船外活動をする際の出入り口となるものです。これにより、ISSはスペースシャトルと結合していなくても修理や組立のための船外活動ができるようになり、前回6Aフライトで取り付けたロボットアームの機能と供に、ISSが自立した運用をするための重要な機能が備えられることになります。

 

・機能
  ジョイント・エアロック(愛称クエスト)は、与圧された2つの円筒形の容器(チャンバー)から構成されてます。このエアロックはISSでの船外活動の際の、出入り口となります。船外活動用のエアロックは宇宙服の保管・装着、バッテリの充電、水や酸素の補給に必要な設備を備えています。今回取り付けるジョイント・エアロックは、米国の船外活動宇宙服(EMU)に加え、ロシアのオーラン宇宙服の使用にも対応できます。
 このジョイント・エアロック内は、ロシア製の減圧ポンプと手動均圧弁、与圧調整装置があり、エアロック内を加圧/減圧することができます。スペースシャトルのエアロックでは、船外に出るときにエアロック内の空気を全て宇宙空間に放出していますが、ISSに取り付けるジョイント・エアロックは内部の空気の90%を回収することができます。

 



・装備ロック(Equipment Lock)
装備ロックは、共通結合機構(CBM)で、ユニティの右舷CBMに取り付けられます。 装備ロック内では、宇宙服の脱着や整備が行われるほか、EVA前夜に10.2psia(2/3気圧)に減圧した状態でここに泊り込み、体を慣らすプレブリージングが行われます。
また、収納スペースには、EVA工具やバッテリ等を保管することができます。

・クルーロック(Crew Lock)
クルーロックには、装備ロックとの結合部に1つ(IVAハッチ)、および船外との出入り口に1つ(EVAハッチ)の、合計2つのハッチがあり、これらのハッチにより各部屋の圧力を維持することができます。
このクルーロックは主に、船外活動中にクルーや装置類を、船内と船外間でやり取りするために使用されます。このクルーロックを減圧/加圧し、2名の宇宙服を着たクルーが船外へ出たり、船内へ戻ったりすることができるようになっています。

 

高圧ガスタンク(HPGT:High Pressure Gas Tank)

 高圧ガスタンク(HPGT:High Pressure Gas Tank)は、2つの酸素タンクと、2つの窒素タンクから構成されています。これらのタンクは、ISS内の空気制御・供給装置へガスを供給するほか、宇宙服の酸素タンクに圧力900psia(約61気圧)の酸素を充填することができます。
 各タンクは、直径約0.9mの球形でその外側にかまぼこ形のデブリ防護用のシールドが取り付けられています。
通常では、酸素と窒素それぞれ2基ずつあるタンクのうち、1基は高圧用、もう1基は低圧用として使用されます。


※記事、スペックに関してはJAXA宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターホームページより転載(一部改変)させていただきました。