フライト 1A/R
コントロール・モジュール(FGB)
“ザーリャ”

 コントロール・モジュール(FGB)は、アメリカが提供する構成要素です。アメリカが資金を出し、ロシアが製作を行いました。FGBは推進、通信、電力、熱制御等の機能を有している1気圧に与圧された宇宙機で、プロトンロケットによりカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から無人で打ち上げられます。FGBにはロシア語で日の出を表す”ザーリャ”という愛称が付けられています。


・機能
FGBは、ロシアのセグメントとアメリカのセグメント間を橋渡しするインターフェース部となります。ISSの組立シーケンス初期に軌道上で必要となる宇宙機としての機能(軌道制御、姿勢制御、地上との通信、電力供給、熱制御等)を有します。
 後期段階ではサービスモジュールとドッキングし、上記の機能は引き継がれ、FGBは主に推進剤の貯蔵、荷物の保管、米国のモジュールから十分な電力の供給が可能となるまでロシアのエレメントへ電力供給等に利用されます。


 ロシアのクルス(kurs)システムを使用することにより、ザーリャは、軌道上でサービス・モジュールと自動的に、またリモート制御によりランデブー、ドッキングすることができます。側面に設置されたドッキング・ポートには、ロシアのソユーズ宇宙船および無人のプログレス補給船がドッキングすることができます。モジュールの16個の燃料タンクには、合計で6t以上の推進剤を保管することができます。このモジュールの姿勢制御システムとしては、24基の大型スラスターと12基の小型スラスターを使用します。2基の大型のエンジンは、リブースト(軌道高度の引き上げ)時や大きな軌道変更時に使用されます。

主要諸元
重量 約20,040kg
全長 12.99m
4.1m(最大部)、2.9m(胴体中央部)
太陽電池パドルの全幅 24.4m
軌道上寿命 15年以上
太陽電池の発生電力 平均3kw
バッテリ− 6個のニッケル・カドミウム電池(各90AH)を搭載
 


※記事、スペックに関してはJAXA宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターホームページより転載(一部改変)させていただきました。