「アーマード・コア4」より
レイレナード 03-アリーヤ
(コトブキヤ プラスチックモデル)

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平成20年8月25日  
   ・キットについて

 ゲーム機を持っていないので、ゲームはプレイしたことがなかったのですが、デザインに引かれてキットを買いました。
で、興味が湧いてOPムービーを見て衝撃。
結局AC4をプレイするためにXBOX360まで買っちゃう始末です。

 キットはこのシリーズの例に漏れず、複雑なデザインを再現するために細かく部品が分割されており、プロポーションは特に問題なしです。
OPに惚れたので、あんな感じを目指す方向で製作します。

 アリーヤは通常装甲を削ってプライマルアーマー(防御障壁)による防御を重視した機体ですので、装甲の薄さの再現がポイントです。
デザイン的には各部のコイル型/プレート型整波装置がネクストACの特徴でしょうか。
  

 ・頭部

 OPで印象的な電光掲示板状の複眼カメラアイですが、キットでは残念ながらツルツルです。まあプラキットでは再現出来ないよなあ。
複眼はこのロボットの最も特徴的な部分なので何とか再現したい所です。

 頭部の形状はカメラから上部がやや高く下顎が小さいので、リーゼント頭みたいな感じに見えるなあ…

 ・デカールで再現

 複眼を再現するにはどうすれば良いか?
とりあえず手軽なところで、デカールで出来るかテストです。
Excelで作った格子状の線をデカールに印刷。
下地を蛍光レッドで塗った上に貼ってみました。
はい、完成!
おお、完璧じゃないか。

 問題としては中間色では縞々になるので、色が限られていまいます。
しかし線の太さやセルの大きさを細かく調節できるのは大きな利点です。
複眼を再現するにはこれが一番簡単かつ効果的な方法かと。

 …しかしお手軽すぎて満足感が足りないというか。
オレ頑張ったぜ感がなさすぎてツマランというか。
とにかくチャレンジ精神的に全く満たされないのです。

といわけでなんとかして立体で再現してみることに。
 

 ・エッチングパーツ

 小サイズで格子状の部品と言えばエッチングパーツしか思い浮かびません。
しかし幅1mmに3個の正方形が入るようなメッシュってなかなか無いんですねえ。
模型屋であれこれ漁った結果、見つかったのが1点だけ。
ゴールドメダルのニミッツ用エッチングのプラットホームの部分です。
探した中でスクエアメッシュではこれが最小、これがジャストフィット。
ただしお値段4500円也。
ああ…。

 ・複眼/下顎

 カメラアイは最終的にクリアパーツへの置換が前提なので、複製が出来るように作る必要があります。
瞬間接着剤でメッシュを埋めずに貼り付ける自信は無いし、曲面に両面テープで固定しても複製で失敗しそうです。
悩んだ末、プラ板に両面テープでメッシュを貼り付けてシリコンで型取り。
複製した格子モールド入りレジン板を貼り込む事にしました。
格子の切り出しや削りがシビアでした。

 下顎は全体的に小さいので、前後左右ともプラ板で幅増し。
アップ画を参考に各部修正しました。

 ・立体で再現

 作った原型を型取り、透明エポキシ樹脂に置換しました。
透明エポキシは手流しでも気泡が残らず、結果良好です。
エッチングパーツから2度複製したわりにはモールドが埋まらず成功です。
おお、なんとかなるもんだなあ。
塗り分け出来そうにないので、結局デカールのお世話になりそうな気もしますが…。

 リーゼント頭は上部との接合部分を斜めに削って、0.5mmほど低くしています。
カメラ、下顎の改修と合わせて、だいぶOPの印象に近づきました。

 ・クリアパーツ

 電飾予定なので、LEDの色と合わせて何色が良いのか色々テスト中。

 ・サイドブースタノズル

 ネクストACの卓越した機動性を支える部分ですが、キットでは菱形の板に浅い窪みがあるのみです。
せっかく分割しているのになー。
この辺はディテールアップするポイントなので、貼ったり削ったりで頑張ります。
細かい部分ですが、複眼の後なのでわりと楽。
左右必要なので複製しました。

 ・前部インテーク

 肩前部に3つ付く部分ですが、ここも楕円の板に浅い窪みくぼみがあるだけなので穴を開けてディテールアップ。その後複製して数を揃えました。
部品を細かく割っているわりに、こういったディテール再現にはわりと無関心なキットです。

 ・肩プレート型整波装置

 肩に付く整波装置は独立した3枚の板をコの字型の板が2重に覆っている形状です。
本来それぞれの部分は間が抜けているのですが、キットでは3枚の板と周りの覆いが一体化されています。
間を抜きたいところですが、プラ板で新造して綺麗に並べる自信がないので、深くシャープに彫り込むのみに留めました。
ん〜。

あと装甲部分は薄く削り込み。

 ・肩比較

 各部をディテールアップしてこうなりました。
ああ、密度的になんか気持ちいいなーといった感じです。

 ・肘関節

 OPで肘を伸ばしている射撃姿勢が印象的なので、肘を伸ばしたいところです。
しかしデザイン上、肘後ろの整波装置が邪魔して伸ばせません。

思案の結果、デザインを無視して切った貼ったで伸ばせるようにしました。

 ・肘プレート型整波装置

 上から見るとこんな感じ。
板が綺麗に繋がるように修正します。

平成20年8月31日  
 ・成形色テスト

 塗装して組んだ状態で、カメラの成形色を比較。
左が無色透明。右が赤色透明。
組むとやっぱり暗くて見えません。
電飾をしない場合はクリアパーツにする意味はなさそうです。

 ・電池ボックス/スイッチ

 電池はCR1220を使用しました。3Vなので1個で光ります。
スイッチは背中部品にスライド式を組み込み、電池ボックスをエポキシパテで強引に固定しました。
電池ボックスは胴体中央を削って収まるようにしました。

 ・首

 LEDを固定するためにフレームを2mmプラ板で製作。
頭部はフレームに上から被せるようにしました。
無くなってしまった首関節は胴体との接続部に新造しました。

 ・電飾ユニット

 LEDと配線してこんな感じに。
電飾は十数年ぶりでしたが何とかコンパクトに収まりました。

 

 ・発光テスト

 おお、光った!
これが見たくて作り始めたのです。
まだまだ光漏れがありますが、結構良い感じ。

 LEDは高輝度赤色、クリアパーツは無色透明です。
複眼の格子は結局デカールで塗り分けました。
極細ペンで塗れないこともありませんが、やっぱりデカールの方が綺麗です。

平成20年11月25日  
  ・手

 キット付属の手はいつものシリーズ共通のものですが、ここもOPで印象的な部分なので自作しました。
エポキシパテでおおまかに作ってキャストに置換したのち彫り込んでいます。
微妙なRと関節部分の彫刻で苦戦しました。

 これで作りたい部分は大体作っちゃったので、この後はテンション下がり気味です。^^;
もしやパーツフェチ?

 ・首

 首元はキットのパーツを輪状に加工して、固定せずに追随するようにしました。

 ・胸部 中央

 胸のクチバシ状の部分は彫刻が甘くあいまいになっているので、スキッとシャープにします。
下側は折っちゃったのでプラ板で作り直しました。

 ・胸部 コイル型整波装置

 この部品、組み上げると前面と外面のみ露出するのですが、パーティングラインとゲートも外側に来てしまいます。ゲート処理が問題なのと、なにより抜きの方向から側面のディテールが甘くなっています。

なので外側の円筒を一度切り離してから90度回転させて再接着しました。

 ・胸部 インテーク

 インテークは開口後、エポキシパテでなめらかにスロープを作ってみました。
この辺の処理はゲーム中のCGを参考にしています。

 ・後頭部カバー

 頭部後方のカバー状の部分は抜きの都合上、肉厚が不均一になっているのでパテで修正です。

 ・背部

 背部上面はパーツの合わせ目に段差ができてしまうので、パテで修正して綺麗なラインに繋ぎました。
少々面倒な部分です。

 ・オーバーブースタ

 中央部分を開口後、裏側から適当なバーニアの部品を接着して奥行きを出しました。
左右の小さなノズルは開口して綺麗な円形になるよう加工。
隙間をエポキシパテで埋めました。

 下側に展開するカバーはシリンダーが一体になっているので作り直し。
強度の都合上、コの字に曲げた金属線をパーツの間に挟み込んで固定しています。

 ・謎のパーツ

 ゲーム中では何も装備を付けていないはずの左背部のハードポイント。
OPムービーではゲーム中には登場しない何かが見えます。
んー…?
模型的には面白そうなので作ってみました。
ロングだけでハッキリとは見えないので手元のエッチングパーツと真鍮パイプでそれっぽく。

 で、一体何だろう。
アタッチメントが露出しているのか、コジマバランサーとかコジマ風車的な何か?

 ・大腿部

 上面の部品がやや大きいので、接着後削って綺麗に繋ぎました。
上部のスリットは一度パテで埋めてから彫り直し。
前面の装甲は厚みが均一になるよう加工しました。

 ・バックブースタ

 外側の板はキットでは厚みのある表現となっていますが、イラストやCGでは鋭くなっているので地道に削って尖らせました。
後部は折れやすそうなので結構気を遣います。

 ・膝関節

 膝は一部削るだけで膝がより深く曲がるようになります。
OPの中腰ポーズの再現には必須です。

 ・下腿 外側

 両側に付く装甲の断面は、キットではモールドだかパーティングラインだかなにやらあいまいな表現となっています。
ここは削り取ってCGを参考に多層構造を再現しました。

隙間が多い方がアリーヤの特徴である装甲の薄さがアピールできるかなーとか。

 1層目の装甲の前部を延長してパテでやや厚みを変化させています。
でも作ってから見ると余計にプラモデル臭くなった気がしないでもない。

 あとこの辺はあちこちヒケがあるのでパテで埋めました。

 ・下腿 ふくらはぎ

 メカニカルな部分ですがキットではだるかったり色々一体化されているので、極力シャープにしたり、彫ったり、隙間を埋めたり、シリンダーを作り直したりしています。

平成21年1月13日  
 ・足首アーマー

 先端の部分は穴が浅くて甘いので開口しました。
でもあまり奥行きをがあるのも変なので、スジ彫り入りの板をはめ込み。
そのまま彫り込んでも良かったかも。
裏側はエポキシパテで裏打ちしました。

 足首との接続部分は一部をポリ部品ごと削って、足首の可動域が広がるようにしました。
お手軽で効果的です。

平成21年3月14日  
 ・マーキング

 OPでは各部に白ラインのマーキングがあるので、これを自作デカールで再現します。

 まずOP映像とにらめっこしながらマスキングテープで試作。

 マスキングテープの形が崩れないようにセロテープで移し取って紙に貼り付けスキャナーで取り込み。
この画像を下地にドローソフト(CorelDARW Essentials4)で作図しました。ドローソフトは初めてでしたが、単純な形状なのでなんとかなりました。

このデータをアルプスMDプリンタで印刷します。
 ・頭部 ブレードアンテナ

 頭頂部のブレードアンテナの存在に気が付いたので製作。
適当な大きさのエッチングパーツをナイフで押し切りにして形状を整えました。
エッチングパーツを切る際はナイフの先端が飛ばない様にあらかじめ少し折っておき、厚手のプラ板の上に両面テープで固定して作業します。

右側のロッドアンテナは0.2mmピアノ線で作りました。

 ・大腿部 丸モールド

 大腿部前面に4つ付く極小パーツはピンバイスでくわえてゲート処理。穴が浅いので深く彫り直しました。2度ほどパーツを飛ばしましたが奇跡的に無くさずに済みました。(笑)

 ・肩 内側インテーク

 肩内側にあるインテークが埋まっているので、開口してエポキシパテで整えました。仕切りはプラ板で作り直し。傾いている気もしますが気のせいでしょう。^^;

平成21年4月10日  
  ・頭頂部 マーキング

 頭頂部用のデカールも一応作ったものの、サイズの都合上これ以上細い線は引けず。
OPでも超アップ時以外は見えないので結局無視することにしました。

 ・アサルトライフル

 MARVEは打突兵器としても使えるみたいなので(?)、先端を若干プラ板で延長して尖らせました。

 ・ライフル

 トリガーが上の方にあって指が届かないので少し下に延長。
このキットで一番難易度が高いのはこのライフルの合わせ目消しだと思います。
なのにクラースナヤも新ホワイトグリントも装備しているという…。